今月の新聞記事作文のテーマ

今、文塾で取り上げている新聞記事のテーマは「普天間基地移設問題」です。

当初は小学生に作文を書いてもらうテーマとしてはちょっと難しすぎるかな?と考え、紹介だけにとどめておくつもりでした。しかし、ここへきて、首相の5月末決着の公約と代替候補地徳之島での反対集会、そして地元沖縄での大反対集会等で注目度もいっきに高まり、「これは塾でも取り上げんといかんかな?」と方向転換したわけです。これまで文塾では、古代猿人、地震、津波等どちらかと云えば自然科学系のテーマが続いていたので、ここらで社会的テーマとして扱うことにしました。

文塾は学校のように教科書がありません。一学期にこなす単元も決まっていません。ですから作文で採用する新聞記事は、その時に一番世を騒がせているホットなテーマを使うことができます。子どもたちは彼らなりに、今何が話題になっているかについて注目しています。小学5年生でも普天間基地問題は勿論知っていますし、関心もあります。彼らにとって大人の話題を知っているということは、ちょっと誇らしく、嬉しいことでもあります。

今、新聞やTVで盛り上がっているホットなテーマと、単に教科書で紹介されているテーマを扱うのとでは、生徒の注目度は全然違うのです。例えば公害問題は、どの社会の教科書にも載っていますが、最近のように水俣病問題をTVのニュースや新聞で頻りに取り上げているこの時期に授業で行うと、子どもたちの反応はずっとよくなります。

実は私は、普天間基地移設問題は日本にとってもアメリカにとっても、それほど重要なことだとは考えていません。軍事戦略として両国にとっては、余りに瑣末でどうでもいい問題です。(日本政府は既に5兆5千億円も思い遣り金をあげていますが)ところが御承知のように連日マスコミでは、さも重大事件のように騒がれています。

沖縄でも9万人の反対集会が開かれました。確かに沖縄の人たちからみれば大問題です。なにしろ国土の0.6%の中に、74%の米軍基地があるのです。これでは植民地みたいなものです。

あのラムズフェルドさんも云ってました。「普天間は世界一危険な飛行場だ」・・・と。

しかし、ここ20年余りの国際情勢の劇的な変化の中で、大規模な米軍の再編成が進み、在日米軍の占める位置も大きく変わりました。沖縄米軍のほとんどが4年後までをめどにグアムへ移転する予定です。

残された海兵隊の主な任務は、在東アジア米国人の(例えば現地におけるクーデターや暴動等の起きた場合の)救出活動です。彼らは多くの軍事評論家が指摘しているように(自民党の元防衛庁長官も云ってます)、日本の抑止力にはなっていません。駐留経費の74%を日本政府が出していますので居心地はいいでしょうね。

また、抑止力とは仮想敵国に対して使う用語ですが、どのような仮想が考えられのでしょう。例えば北朝鮮軍は世界最貧国の軍隊ですから、自衛隊の敵ではありません。中国の人民解放軍は、規模でいえば、アメリカ海兵隊の500倍です。とても対中戦争なんか現実的ではない。それにアメリカは、中国にとって最大のお客さんです。因みに中国は、日本の貿易相手国としても20%を超え第一位です(二位米国13%)。加えて台湾海峡ですが、現在台湾の対外投資額で中国の比率は70%を超えています。現政権もべったりの親中派で独立派は絶滅寸前です。

果たして在日米軍は、本当に日本の抑止力になっているのか?またその必要があるんでしょうか?(マッハ10で飛んでくる北朝鮮のミサイルは誰にも止められません。核兵器はこちらも持たないかぎり抑止が効かない。北が日本に撃ってきたら、アメリカが撃ち返してくれる・・・と考えるのは子どもの夢みたいなもんです。米軍がいようがいまいが関係ありません)

しかし、鳩山首相は抑止力になっていると公言しました。マスコミは五月末決着に失敗すると、政権が崩壊するかもしれないと云っています(私はそうは考えてませんが)。考えてみればみるほどよくわからないこの問題は、ちょっと他に例がないような気がします。私が面白がっていてはいけませんね。

「マスコミよ あなたは基地を どうしたい?」

先日、朝日新聞に載った川柳の投書だそうです。

塾長 の紹介

1957年東京生まれ。1981年早稲田大学第二文学部卒業。 医学雑誌編集記者、技術系出版社を経て、1991年より学習塾「自由学舎」(東京都目黒区)の専任講師。2008年新聞記事を題材に作文をする塾「文塾」を立川市に開設。 小・中・高校・大学受験の指導だけでなく、不登校児の学習支援や野外活動指導員としての実績を持つ。
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