ゴーギャン展を鑑賞

ポール・ゴーギャンという人はご存じの通り、近代世界にひとり背を向け、今でいえばパリのリーマンのような会社に勤めて羽振り良かった生活や家族を捨てて、ブルゴーニュを経てタヒチまで行って独自の世界を築いた変人芸術家ですね。私はヒッピーの元祖ではなかったかと考えています。ここでは展覧会の評はさておいて、子供たちにとってはどのような意味があるのか?

誠に残念ながら、今日、美術展とは完全におとなの世界です。ゴーギャンは日本ではたいへんな人気者で、館内はもの凄い人でごった返していました。しかし当日は夏休み中であったのにも拘わらず、会場で小学生を見かけたのは我々以外ではわずか2~3名でした。パリのルーブルへ行っても、ニューヨークのグッゲンハイムに行ってもどこでも子供がいっぱいいます。東京では美術館の中ではほとんど見かけません。たしかに子連れで行くのはウザいものです。迷子になったらたいへんだ。駆けっこしたり大声だしたり皆に迷惑かけたらどうしよう・・・じっくり名画鑑賞どころではありません。(もっともこの時は無用の心配でしたが)でも、このような大人の世界に子供を連れていくのは大事なことではないでしょうか。

子供と毎日のように接していていつも感じるのは子供たちが大人の世界をほとんど知らない・・・ということです。逆にいうと子供たちの日常はいつも大人の世界から隔離されているのです。例えばお父さんがサラリーマンですと、子供はどんな仕事をしているのか、世の中にはどんな仕事があるのか・・・普段は接する機会がほとんど無く、知りようがありません。この傾向は高校や大学を卒業するまで大きくは変わらないでしょう。そして卒業していきなり社会の波に揉まれる訳です。七五三という言葉をご存じでしょうか?中卒で七割、高卒で五割、大卒で三割・・・就職して二年以内の新入社員の離職率だそうです。

やはり小学生くらいの頃から徐々に大人の世界にも触れさせて、大人の世界の不思議さ、たいへんさ、複雑さに気付かせ、そこから社会や大人への道につなげていく努力をすることが重要なことのように思えてなりません。

子供と美術館に行きよい芸術に触れてもらうことの意義とは、勿論それだけではないのですが、今回はこのようなことを取り上げてみました。

塾長 の紹介

1957年東京生まれ。1981年早稲田大学第二文学部卒業。 医学雑誌編集記者、技術系出版社を経て、1991年より学習塾「自由学舎」(東京都目黒区)の専任講師。2008年新聞記事を題材に作文をする塾「文塾」を立川市に開設。 小・中・高校・大学受験の指導だけでなく、不登校児の学習支援や野外活動指導員としての実績を持つ。
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